カシミヤ・ウールも静電気はおこります。
突然ビリッとくる嫌な静電気。アクリルなどの化繊だけではなく、高級・高品質なカシミヤでも発生します。
静電気が起こりやすい環境
具体的に静電気が発生しやすい環境は温度25度以下、湿度20%以下とされています。
季節でいうと12月上旬から1月の中旬が要注意期間です。
静電気が起こるメカニズム
どんなものでも-と+の電気を持っています。
普段はマイナスもプラスも同じ数だけあり、バランスの取れた状態です。
しかし、衝突し擦れると電気の移動がおこりバランスが崩れ、-か+どちらかに偏りのある電気を帯びた状態になります。これを帯電といいます。
電気が移動すると、一方はマイナスが多く、もう一方はプラスが多く電気を帯びた状態になります。
帯電状態の2つ物質は元のバランスの取れた状態に戻ろうとする働きがあり、戻る時にバチっと電気が流れます。これが静電気です。
衣類素材の帯電性
どんな繊維でも電気は発生します。その電気が放電しやすいタイプか、滞りやすいタイプか、またプラスの電気か、マイナスの電気かを表したのが下記の帯電性の表です。
水分の多い素材は電気をためにくい性質があります。上の図でシルク・麻・木・皮膚のあたりです。
表の外側に向かう素材が水分か少なく、電気をためやすい(帯電)しやすい素材になります。
帯電された電気は「+」か「-」いずれかの電気を帯び、「+」と「-」が擦れあうことで静電気が発生します。表で離れた位置関係にあるもの同士が擦れると強い電気が発生します。
カシミヤに静電気を起こさない工夫
湿度を高く
空気の乾燥すると静電気が発生しやすくなります。室内を加湿器で加湿し、部屋の乾燥を対策をしっかりするこで、カシミヤの静電気も抑えることができます。
着る服の素材を選ぶ
着る衣類は帯電表の「カシミヤ」の近くの素材を選ぶ。
表の近い位置にある素材通しは擦れても電気が発生しにくい特徴があります。カシミヤの場合、ナイロン・シルク・木綿・麻が好相性です。
逆に、ポリエステル・アクリル・ポリエチレンなどは静電気が起きやすい素材です。アクリル素材のセーターやコートは静電気が起きやすい組み合わせです。
また、着衣だけではなく絨毯・カーペットの類がアクリルであったり、上着の中綿がポリエステル素材であったり、と思いもよらないところに静電気が起こりやすい素材が使われていることがあります。