カシミヤストールをドライクリーニングに出すと、手触りが軽くなって戻ってきます。できるだけ本来のぬめりのあるカシミヤらしい風合いを保ちたい。クリーニングにはあまり出したくない。これが本音です。
あまりクリーニングには出したくないけれど「風合い」と「汚れ」を比べたときに、汚れを落とすことを優先しなくてはならないときもあります。中古のジョンストンズを扱う私にとっては特に。
だから、クリーニングには出すけれど、できるだけ良い状態で戻ってくるように、クリーニングで後悔しないように、かなり気を使って店選びから品物の出し方を研究していますので、その一部をご紹介いたします。
なぜドライクリーニングでカシミヤの風合いが変わるのか
「獣毛」であるカシミアの油脂がドライクリーニングで落ちてしまうからです。
なぜドライクリーニングでカシミヤの風合いが変わるのか
《ドライクリーニングのデメリット》
☑ 水性汚れ(汗)には弱い
☑ 風合いが変わる
☑ 石油系溶剤使用である
☑ 脂が落ちすぎる
本来の風合いが変わってしまうのは残念ですが、汚れは虫食いの原因にもなりますので、使用頻度、汚れ具合と相談してクリーニングも必要だと私は考えています。特に中古品の場合、「前使用者の存在が感じられる状態」これはクリーニングにお願いするしかありません。
ドライクリーニングで多少痛むことを覚悟した上で、ダメージを最小限に抑えるクリーニングに出すコツをお伝えます。
①クリーニングに出す頻度は最小限にする
②信頼できるお店に出す
③カシミヤに適したコースを選択する
④受付時にもきちんと要望を伝え確認する
①クリーニングに出す頻度は最小限にする
☑ 衣替え長期保管前
☑ 汚れがひどい
☑ 他人から譲ってもらった
ここぞ、という時にクリーニングです。
『普段のお手入れ』はカシミヤストールをご使用になった後、カシミヤ素材用洋服ブラシでブラッシングして汚れ(ホコリ)を落とし、影干しして休ませておけば十分です。
②信頼できるお店に出す
クリーニング店は会社によって洗浄技術や商品の扱い方がかなり違います。必ず何度か利用したことのある信頼できるお店に頼みましょう。
クリーニング店選びのコツ
お店の外観やポップに、特色がでていると思いますので、そこをよく見極めて丁寧な仕事をしてくれるお店、信頼できるクリーニング店にお願いしましょう。
・安さとスピードを売りにするお店
・昔ながらの地元のクリーニング店
・お値段高め仕上がり重視のお店
私が扱うストールは今のところ白洋舎さんにお願いしています。
Drawer買取り専門店勤務時代、お店に届く高級衣類はクリーニング済みの物もたくさんありました。これが、結構な割合で白洋舎さんを利用した形跡があり驚いた記憶があります。
『高級衣類をクリーニングに出す頻度の多い人達は白洋舎さんを信頼しているんだな。』と感じたので、私はお客様を信頼して白洋舎さんにお願いしています。
③カシミヤに適したコースを選択する
クリーニング店によっては、カシミヤ素材対応のクリーニングコースを設けています。カシミヤ洗浄用に研究されたドライ溶剤を使用することで、できるだけカシミヤの風合いを守りドライクリーニング処理するものです。
白洋舎にカシミヤストールを出す場合の品名は「ショール」で「素材別料金」というクリーニング代になります。
通常料金 | 800円+税 |
素材別料金 | 1500円+税 |
(2018年5月現在)
素材別に仕上げてくれる素材別コースが安心です。
※追記 2018年6月値上げする旨ハガキでお知らせきてました(TT)
※2017年3月毛製品向けのオプション「しっとり加工」が始まったそうです。詳しくはこちら
株主優待やJAFクーポン利用しながらお得に利用させてもらっています。
④受付時にもきちんと要望を伝え、確認する
経験上、何枚ものクリーニング失敗ストールを見てきているのでクリーニングに出す時、必ず以下の2点を受付で伝えます。
① 大切なカシミヤのストールなのでカシミヤ用のコースでお願いします。
② タグを傷つけないようしてください。
クリーニング屋さんは、出された品物に対して管理タグをどこかにつける必要があります。ジョンストンズの場合、ブランドタグに通すように紙を輪にして、ホチキスで止めるお店が多いです。白洋舎さんも輪にして管理番号をつけてくれます。
他店では、信じられないことにブランドタグにバチン!とホチキス止めされてしまうケースもあるそうです。
余談カシミヤのご自宅での手洗いについて
カシミヤはご自宅で水洗いもできますが、水温管理や洗剤濃度、干し方など工程が多く失敗する可能性も高く無責任にオススメはできません。
特にカシミヤ大判ストールは、かなりの大きさがありますので「均一に手洗いし」「干す」という作業を実行するのは技術と勇気が必要です。
それでも自宅で洗いたい場合は、失敗しても諦めのつくアイテムで十分に試してから自己責任で洗いましょう。